海外安全対策情報(平成31年4月~令和元年6月)

令和元年7月12日
在マナウス日本国総領事館
 
海外安全対策情報(平成31年4月~令和元年6月)
 
1 治安情勢
 マナウス市における2019年4月~6月の犯罪認知件数合計は23,380件(約256件/1日当たり)で,2019年1月~3月との比較にて-0.6%(159件減)と,ほぼ横ばいとなっております。
 そのうち最も身近で警戒が必要な殺人・強盗・強盗殺人・窃盗事件の発生件数合計は20,232件(約222件/1日当たり)で,全体の犯罪の86%を占めておりますので,予断を許さない状況が続いております。
 
2 今回のポイント
(1)郊外の4刑務所にて受刑者55名が死亡する虐殺事件が発生しております。
(2)パルキデス地区にて「Chapolin」を使った車上荒らしが多数発生している模様です。
(3)犯罪組織が関わる銃撃事件が発生しております。
 
3 邦人の被害事案
 該当事案なし。
 
4 邦人以外の被害事案
(1)4月28日(日)午後6時頃,マナウス市セントロスール地区にあるアマゾナス・ショッピングセンター内のテナント(店舗詳細は不明)にてレジが襲われる強盗未遂事件が発生しました。犯人(男二人組)は店員を脅すため、銃の所持を装い、店員に接近し,それに気付いた客が大声を出したため、犯人はそのまま逃走しました。
 客が「強盗」と大声を出したために、ショッピングセンター内は大混乱となりましたが、幸い怪我人の情報は無く、該当テナントについてもショーケースが割られた被害程度で済んだ模様です。
 
(2)5月2日(木),マナウス市パルキデス地区にて,数年にわたり犯行を繰り返していた車上荒らし常習犯(男性・36歳)が、防犯カメラの映像が決め手となり逮捕されました。
 犯人は、車のガラスを割ったり、「Chapolin」と呼ばれる、車のドアをロック・解除するリモコン無線を妨害する装置を使用し(車の使用者がドアをロックするのを妨害)、犯行を繰り返していた模様です。

(3)5月19日(日)夜間,マナウス市サン・ジェラルド地区にて,軍警察のパトロールカーが巡回中に、犯罪組織PCC(首都第1コマンド:サンパウロ発祥の犯罪組織)と思われる者たちによって、20発以上被弾しました。
 犯行グループはレンタカーを利用し、武器は自動小銃を使用しましたが、幸い負傷者は出ませんでした。犯人らは応援のパトカーが到着する前に逃走した模様です。
 
(4)5月23日(木),マナウス市セントロスール地域内コンスタンチーノネリイ通り沿いの高級コンドミニアム内にて、治安当局と犯罪容疑者2名による銃撃戦が発生し、容疑者らがその場で射殺される事件が発生しました。
 治安当局(犯罪組織対策部、文民警察コマンド部隊)が、過日発生した軍警察パトカー被弾事件の捜査中に、当該容疑者から銃撃を受けたため応戦し、その場で銃撃戦となりましたが,幸い地域住民等に負傷者は出ていない模様です。
 
(5)5月26日(日)午前11時,マナウス市郊外に所在するアニージオ・ジョビン刑務所内にて、拘留者が構内で争い,15人が死亡する事件が発生しました。事件は面会時間中に発生しましたが、幸い看守、訪問家族、刑務所の職員に被害は無く、脱走者も出ませんでした。
 アマゾナス州刑務局長は公式会見にて、本件は従前のような暴動(反乱)ではなく、また犯罪組織間での抗争とは関係がないと発表しました。
 
(6)5月27日(月)午後,マナウス市郊外に所在する4刑務所(アニージオ・ジョビン刑務所内,アントニオ・トリンダージ刑務所,プラケクアラ刑務所,男性一時拘置所(CDPM))にて、拘留者が構内で争い,40人が死亡する事件が発生しました。この事件による看守、訪問家族、刑務所の職員の被害は無く、脱走者も出ませんでした。
 アマゾナス州公安局長(前日は刑務管理局長)は公式会見にて、本件は暴動(反乱)ではなく、麻薬密売組織間での覇権争いによる衝突とみていると発表しました。
 
(7)6月7日(金),ソリモンエス河流域のアノリー市で、テフェー市から航行中の貨物船が3人の海賊に襲われ、3つの積荷を略奪される事件が発生しました。その後、海賊は逃走するも、4つ目の積荷を奪おうと再度戻ってきました。しかし、乗組員は抵抗し銃撃戦となった結果、積荷は奪われなかったものの、乗組員1名が被弾しました。襲撃時、警察に通報しその援助を依頼していましたが、到着した時には既に海賊は逃走していました。4つ目の荷物には時価10万レアル19キロの麻薬が詰められていました。アノリー市近郊のソリモンエス河流域に位置するコアリー市は麻薬ルートの中心であり、度々小型船が大量の麻薬を輸送する手段として使われている模様です。
 今回は麻薬関連の事件ですが、文民警察水上警備隊の発表によると、最近、観光船や貨物船に対しての、海賊の襲撃が急増していると指摘しています。貨物船からは食料や燃料を、観光船からはカメラ、ビデオ、パソコン等を強奪する由です。
 
(8)6月9日(日)午前3時,マナウス市セントロ地区内公園プラッサ・デ・コングレッソにて男性3名が通行中、3人組の強盗に襲われる強盗殺人事件が発生しました。
 男性3名は通行中、強盗に携帯電話と財布を要求され、応じる間も無く、刃物で襲われ、男性1名は病院に搬送されるも死亡しました。
州軍警察は同公園にて強盗犯を逮捕、取調べによると強盗犯は麻薬を購入するために犯行に及んでおり、この他にも同公園付近にて通行人を刃物で脅迫、バス停留所でも強盗傷害を起こし、1人が病院で重体の模様です。
 
(9)6月17日(月)夜間,マナウス市パルキデス地区にて,州軍警察は犯行を繰り返していた車上荒らし窃盗犯(男性3名)を、通報を受けて逮捕しました。
 同窃盗犯グループは、「Chapolin」と呼ばれる、車のドアをロック・解除するリモコン無線を妨害する装置を使用し(車の使用者がドアをロックするのを妨害)、同地区の商店街に駐車している車両を荒らしていた模様です。
 
5 テロ・爆弾事件発生状況
 該当事案なし。
 
6 誘拐・脅迫事件発生状況
 該当事案なし。
 
7 日本企業の安全に関わる諸問題
 該当事案なし。