感染症スポット情報:ブラジルにおける黄熱の再流行(その2)
平成30年3月26日
在留邦人の皆様へ
【ポイント】
●世界保健機関(WHO)は、ブラジルにおける黄熱の再流行を受け、これまで黄熱ワクチンの接種推奨地域に含まれていなかったサンパウロ市を含め、サンパウロ州全域を推奨地域としました。
●現在ブラジル政府は、日本からの入国時にイエローカードの提示を求めていませんが、手続きが変更される場合もありますので、詳細は現地在外公館に確認し、最新の情報を入手してください。
1 ブラジルにおける黄熱の再流行
(1)ブラジルでは、2016年12月から黄熱が流行し、2017年9月、同国政府によって流行終息が宣言されましたが、現在、黄熱が再流行しています。
世界保健機関(WHO)は、1月16日、同国における黄熱の再流行を受け、これまで黄熱ワクチンの接種推奨地域に含まれていなかったサンパウロ市を含め、サンパウロ州全域を推奨地域としました。
(参考)WHOによる黄熱リスク地域(英文)
http://www.who.int/ith/YF-Vaccination-map-americas.jpg?ua=1&ua=1
(2)WHOは、2017年7月1日から2018年2月28日までに、確定例723例(うち死亡237例)が報告され、昨年同時期の報告数(確定576例(うち死亡184例))よりも多くなっていることを発表しました。。
また、黄熱ワクチンを接種していない外国人旅行者の確定患者数が10例報告されているとのことです。
確定例(うち死亡例)
ミナスジェライス州 314例 (103例)
サンパウロ州 307例 ( 95例)
リオデジャネイロ州 96例 ( 38例)
エスピリトサント州 5例 ( 0例)
連邦区 1例 ( 1例)
(3)3月15日、米国疾病管理予防センター(CDC)は、ブラジルに渡航する米国人に対して、「高度の注意(enhanced precautions)」を呼びかける渡航情報(3段階の中間レベル)を発出し、黄熱ワクチンを接種していない者は、黄熱ワクチン接種推奨地域に渡航すべきではないとしています。
(参考)
米国疾病予防管理センター(CDC)(英文)
https://wwwnc.cdc.gov/travel/notices/alert/yellow-fever-brazil
2 黄熱について
(1)感染経路
黄熱は、黄熱ウイルスに感染した蚊(ネッタイシマカ等)に刺されることでかかる全身性の感染症です。アフリカ(主に中央部)と南アメリカ(主にアマゾン地域)等で感染者が報告されています。ヒトからヒトへ感染することはありません。
(2)症状
通常3~6日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐などの症状を示します。感染しても症状がないか、軽い症状のみで終わる場合もありますが、症状を呈した患者のうち15%が重症になり、黄疸、出血傾向を来たし、重症になった患者の致死率は20~50%に達すると言われています。発症した場合には、重篤になるリスクの高い感染症と言えます。
(3)治療方法
特別な治療法はなく、対処療法が行われます。
(4)予防
黄熱は、黄熱ワクチンの接種により予防することができます。1回の予防接種で終生免疫を獲得することができると言われており、WHOの勧告に基づき2016年7月11日以降、黄熱予防接種証明書(イエローカード)の有効期間は、これまでの10年から生涯有効に変更されています。イエローカードは接種後10日後から有効となりますので、渡航を計画されている方は、早めに接種を行うことが大切です。なお、現在ブラジル政府は、日本からの入国時にイエローカードの提示を求めていませんが、手続きが変更される場合もありますので、詳細は現地在外公館に確認し、最新の情報を入手してください。
また、黄熱はウイルスをもった蚊に刺されることで感染することから、現地では、長袖・長ズボンを着用し、定期的に蚊の忌避剤を使用するなど蚊に刺されないための対策を講じてください。
黄熱については、以下の厚生労働省及び厚生労働省検疫所のホームページもあわせてご参照ください。
(参考)
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124572.html
厚生労働省検疫所
http://www.forth.go.jp/useful/yellowfever.html
3 海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5367
○外務省海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/(PC版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)
○在マナウス日本国総領事館
電話:(市外局番92) 3232-2000
国外からは(国番号55)092-3232-2000
ホームページ:https://www.manaus.br.emb-japan.go.jp/
在マナウス日本国総領事館
領 事 部
感染症スポット情報:ブラジルにおける黄熱の再流行(その2)
(ブラジルへ渡航する際には黄熱ワクチンの接種をご検討ください。)
【ポイント】
●世界保健機関(WHO)は、ブラジルにおける黄熱の再流行を受け、これまで黄熱ワクチンの接種推奨地域に含まれていなかったサンパウロ市を含め、サンパウロ州全域を推奨地域としました。
●現在ブラジル政府は、日本からの入国時にイエローカードの提示を求めていませんが、手続きが変更される場合もありますので、詳細は現地在外公館に確認し、最新の情報を入手してください。
1 ブラジルにおける黄熱の再流行
(1)ブラジルでは、2016年12月から黄熱が流行し、2017年9月、同国政府によって流行終息が宣言されましたが、現在、黄熱が再流行しています。
世界保健機関(WHO)は、1月16日、同国における黄熱の再流行を受け、これまで黄熱ワクチンの接種推奨地域に含まれていなかったサンパウロ市を含め、サンパウロ州全域を推奨地域としました。
(参考)WHOによる黄熱リスク地域(英文)
http://www.who.int/ith/YF-Vaccination-map-americas.jpg?ua=1&ua=1
(2)WHOは、2017年7月1日から2018年2月28日までに、確定例723例(うち死亡237例)が報告され、昨年同時期の報告数(確定576例(うち死亡184例))よりも多くなっていることを発表しました。。
また、黄熱ワクチンを接種していない外国人旅行者の確定患者数が10例報告されているとのことです。
確定例(うち死亡例)
ミナスジェライス州 314例 (103例)
サンパウロ州 307例 ( 95例)
リオデジャネイロ州 96例 ( 38例)
エスピリトサント州 5例 ( 0例)
連邦区 1例 ( 1例)
(3)3月15日、米国疾病管理予防センター(CDC)は、ブラジルに渡航する米国人に対して、「高度の注意(enhanced precautions)」を呼びかける渡航情報(3段階の中間レベル)を発出し、黄熱ワクチンを接種していない者は、黄熱ワクチン接種推奨地域に渡航すべきではないとしています。
(参考)
米国疾病予防管理センター(CDC)(英文)
https://wwwnc.cdc.gov/travel/notices/alert/yellow-fever-brazil
2 黄熱について
(1)感染経路
黄熱は、黄熱ウイルスに感染した蚊(ネッタイシマカ等)に刺されることでかかる全身性の感染症です。アフリカ(主に中央部)と南アメリカ(主にアマゾン地域)等で感染者が報告されています。ヒトからヒトへ感染することはありません。
(2)症状
通常3~6日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐などの症状を示します。感染しても症状がないか、軽い症状のみで終わる場合もありますが、症状を呈した患者のうち15%が重症になり、黄疸、出血傾向を来たし、重症になった患者の致死率は20~50%に達すると言われています。発症した場合には、重篤になるリスクの高い感染症と言えます。
(3)治療方法
特別な治療法はなく、対処療法が行われます。
(4)予防
黄熱は、黄熱ワクチンの接種により予防することができます。1回の予防接種で終生免疫を獲得することができると言われており、WHOの勧告に基づき2016年7月11日以降、黄熱予防接種証明書(イエローカード)の有効期間は、これまでの10年から生涯有効に変更されています。イエローカードは接種後10日後から有効となりますので、渡航を計画されている方は、早めに接種を行うことが大切です。なお、現在ブラジル政府は、日本からの入国時にイエローカードの提示を求めていませんが、手続きが変更される場合もありますので、詳細は現地在外公館に確認し、最新の情報を入手してください。
また、黄熱はウイルスをもった蚊に刺されることで感染することから、現地では、長袖・長ズボンを着用し、定期的に蚊の忌避剤を使用するなど蚊に刺されないための対策を講じてください。
黄熱については、以下の厚生労働省及び厚生労働省検疫所のホームページもあわせてご参照ください。
(参考)
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124572.html
厚生労働省検疫所
http://www.forth.go.jp/useful/yellowfever.html
3 海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5367
○外務省海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/(PC版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)
○在マナウス日本国総領事館
電話:(市外局番92) 3232-2000
国外からは(国番号55)092-3232-2000
ホームページ:https://www.manaus.br.emb-japan.go.jp/